JA | EN
AI時代だからこそ「この人と一緒に働きたい」と思われる人に。oyakataスキルトレーニングセンター 卒業式・式辞
News

新着情報

AI時代だからこそ「この人と一緒に働きたい」と思われる人に。oyakataスキルトレーニングセンター 卒業式・式辞

2026年4月3日、iTipsがインドで運営するoyakataスキルトレーニングセンターにて
新年度の入学式、および卒業式を執り行いました 。

今年で、私たちの訓練校は開始から丸3年を迎えます。
開校当初は、皆で必死に集めた20名弱の小さなクラス、教室もたった1つからの出発でした。
それが今では、パートナー企業と共に進める3つの専門コースを開設し、教室は8つ、
生徒数は100名を超えるまでに成長しました 。


日々の地道な歩みが積み重なり、着実に社会へのインパクトを生み出せていることを、
関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

今回の卒業式では、進路決定後、来日まで1年以上待機し、ようやく晴れ舞台を迎えた生徒もいました。感極まって涙を流す彼らの姿を前に、私たち自身も胸が熱くなり、
一人ひとりの人生に伴走するこの事業の責任の重さと尊さを改めて噛み締めました。

私たちが「教育」を軸に据えていることには、明確な理由があります。
AIやテクノロジーが進化し、さまざまな作業が代替されていく時代。
だからこそ、あらためて問われるのは「この人と一緒に働きたい」と思われる人間の価値ではないでしょうか。誠実さ、責任感、周囲への配慮、学び続ける姿勢。そして何より、目の前の仕事に一生懸命に向き合い、楽しむこと。


仕事に向き合ったあとのすがすがしさは、本来日本が長く育んできた素晴らしい価値観です。
私たちは教育と実践の場を通じて、仕事に誇りを持つことの尊さ、そして懸命に働くことが人生を豊かにするという価値観を、もう一度社会に広げていきたいと考えています。

卒業式では、代表のラトネッシュから、これから日本へと旅立つ卒業生たちへ向けて
最後のメッセージが贈られました。技術以上に大切な、社会人としての「基本」と「信用」。
そして、厳しい環境で生き抜くための、親方(oyakata)としての愛と覚悟を込めた言葉です 。
以下に、その式辞をご紹介いたします。ぜひ、ご一読ください。


【卒業式の言葉】

皆さん、ご卒業おめでとうございます。
今日この日を迎えられたのは、皆さんがこの1年間、
毎日の訓練と勉強をあきらめずに続けてきたからです。 本当によく頑張りました。
そして、皆さんを支えてくださったご家族の皆さまにも、心から感謝を申し上げます。

この1年、皆さんは技術だけでなく、人として大切なことも学んできました。
「職人心得十箇条」を毎日唱えながら、仕事への向き合い方、あいさつ、礼儀、責任、仲間を
大切にする気持ちを学んできました。 それは、信頼される人になるための大事な一歩です。
iTipsは、努力する人を大切にする会社です。努力は、すぐに形にならないこともあります。
でも、毎日の積み重ねは、必ず自分の力になります。
これからも、1つひとつの仕事を、自分を成長させるチャンスだと思って、
謙虚に、誠実に取り組んでください。

しかし今日は、お祝いの言葉だけでは終わりません。
皆さんがこれから日本で働く前に、どうしても伝えたい大切なことがあります。
1つ目は、情報管理です。会社で見たこと、聞いたこと、知ったこと。写真、会話、書類、データ。
そうした情報を、勝手に外に出してはいけません。
では、会社の情報を外に出したら、どうなるでしょうか。会社からの信用を失います。

もう1つ、大切なことがあります。それは、「わかりました」という言葉です。
日本では、「わかりました」はとても重い言葉です。本当に理解したときだけ使う言葉です。
内容がわかっていて、自分でその通りにできるときに言う言葉です。
では、わかっていないのに「わかりました」と言ったら、どうなるでしょうか。
仕事で間違いが起こるかもしれません。現場で危ないことが起こるかもしれません。
周りの人に迷惑をかけるかもしれません。
そして、「この人は信用できない」と思われてしまいます。
だから私は、今日、皆さんに強く伝えます。どれだけ大きなリスクがあるか、皆さんはわかりますか。

日本で働くために必要なのは、技術だけではありません。
信用を守ること。わからないことをそのままにしないこと。自分の行動に責任を持つこと。
それがとても大切です。
もし、わからないときは、正直に「わかりません」と言ってください。
もう一度教えてください、と聞いてください。確認してください。
それは恥ずかしいことではありません。
なぜならば、嘘をついてないからです。正直に話してください。その正直さが、皆さんを守ります。
そして、その正直さが、信頼につながります。

今日から、皆さんは oyakata community の一員です。
ここからは、自分の力で信頼を作っていく立場になります。
どうか、ここで学んだことを忘れず、現場で必要とされる人、仲間から信頼される人になってください。そしていつか、後輩をもって、指導者として「親方」と呼ばれる人になってほしいと思います。

最後に、皆さんにこの言葉を贈ります。
継続は力なり、毎日の積み重ねが、信頼されるあなたをつくる。
Daily effort builds your reputation.
卒業、本当におめでとうございます。


【おわりに:式辞を聞いて、私たちが誓ったこと】

情報管理や「わかりました」の重み。少し厳しくも聞こえるこの言葉は、
生まれた国を離れた挑戦の現実を知るからこその愛情です。
代表から言葉を受けとった私たちメンバーも、改めて身が引き締まる思いでした。
卒業式は生徒たちにも私たちにとっても節目ですが、彼らの物語はこれからも続きます。
努力を尊び、努力が報われる社会を目指してまいります。